第200章:彼

「行かせてやれ」エイデンは車椅子の背にもたれた。顔色はなお陰ったままだが、声の刃はさっきほど鋭くない。「もう大の男だ。見送りなんぞ必要か? 道がわからないわけでもあるまい」

レミーは振り返り、すでに従順な笑みを浮かべていた。「おじいさま、そんなつもりじゃ……ただ、機嫌が悪そうだったから。運転が危ないんじゃないかって……」

「機嫌が悪い?」エイデンは鼻で笑った。「上機嫌だろうよ! よそ者のためにわしに口答えするんだぞ。いい気分でなくてどうする」

また空気が張りつめるのを恐れて、レイアは素早く割って入った。「はいはい、もうこの話はおしまいにしましょう。レミー、お部屋は用意してあるわ。東側で、...

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